新しいCDが10月に発売されます
Miwatj(北東アーネム・ランド)のアートセンターより、3種類のCDが2010年10月に発売されます。そこで、手元の資料と音源でわかる範囲の内容を紹介します。

DHALINYBUY "Wangurri Clan Manikay"
Manikay from Dhalinybuy to the Sea

DHALINYBUY

Bibibak、Djakapurra、Malalakpuy、Mirrwatnga、Ngongu、Yaliなど数多くのイダキ奏者と製作者を輩出している土地「Dhalinybuy」。DhalinybuyをホームランドとするWangurriクラン(言語グループ)の「Baltha(雲)」ソングサイクルを収録したアルバムです。

1.
Songmen : Binydjarrpuma & Galdalminy Munyarryun
Yidaki : Dhambutjawa Burarrwanga
三世代に渡る音源が収録されている画期的な企画で、50-60年代の音源がトラック1~7に収録されている。低い音程のディープなイダキを使った今は聞かれることのないオールド・ファッションなイダキのサウンドは、おどろおどろしいほどすさまじい。一部のハードコアなイダキ・ヘッズにはたまらない内容!

2.
Songmen : Mathulu & Makangu & Malalakpuy Munyarryun
Yidaki : Mirrwatnga Munyarryun
トラック7~81は現役のミュージシャンによるもので、イダキ奏者は海外公演と数知れないBunggul(儀礼)の場で腕を磨いたMirrwatnga。ハイピッチなイダキを使ったキレのあるクイックな演奏が光る。トランシーな高い倍音を鳴らしながらグリグリとした輪郭のはっきりとしたマウスサウンドと激しくマッチしたイダキの音をたっぷりと楽しむことができる。

3.
Songmen : Rrawa & Guyma & Wumila Munyarryun
Yidaki : Djunbiya Marika
そして、最後を飾るのは子供たちによる演奏。写真をみる限り7-8才?この時点でこれだけの演奏と唄を披露できるヨォルングの底の深さを感じる。声がわり前の高いかわいい声で、あざやかな曲展開をみせる。そして、それをまわりで聞いてる大人たちが曲が終わるごとに拍手と「えぇぞー!」というかけ声をかける、なごやかな雰囲気が伝わってくる内容です。

この三世代の音を聞くと、現在まで脈々と受け継がれるヨォルングの文化の力強さを感じずにはいられない。全92曲収録。1枚で超濃厚な内容!



GURRUMURU "Dhalwangu Clan Manikay"
Manikay from Gurrumuru

GURRUMURRU

「Gurrumuru」といえば、ブルースことイダキ・マスターBurrngupurrngu Wunungmurraの名前がすぐに思い浮かぶ人も少なくないでしょう。現在は、歯が少なくなってしまったためイダキ奏者としては現役をしりぞき、卓越したイダキ製作者として北東アーネム・ランドはおろか、世界的に有名です。そのせいか、彼はこのCDには参加していないが、兄弟のWarralkaがソングマンとして参加している。

イダキ奏者についての情報はいまだ不明で、実際に内容を聞いていないため、どんなものかはわかりませんが、過去に葬儀で聞いたDhalwanguクランの曲はどれも非常にリズミックで変化に富んでいるという印象が強かった。それだけに今回どういった内容なのか最も気になるCDです。

Yothu Yindiの初代イダキ奏者の故M.Mununggurrのインタビューによると、彼が幼少期に導かれるようにイダキを学んだのもこのGurrumurruの地であり、そこでDjalawuやBurrngupurrnguからイダキ作りと演奏を学んだそうだ。

リリースが待ち遠しいGurrumurruのCDは全66曲入り!


YILPARA "Madarrpa Clan Manikay"
Mungurru Manikay from Yilpara

YILIPARA

Songmen : Djambawa & Yiniwuy & Marrirra & Ditjpal Mawawili
Yidaki : Wulu Marawili

「Mungurru」とは巨大なカーペンタリア湾の中にあるBlue Mad Bayという湾を指す言葉で、Madarrpa、Mangalili、Dhalwanguの三つのクランがこのエリアにまつわる唄をうたうという。

ここに収録されているソングマンの一人Djambawaは、Madarrpaクランのクラン・リーダーで樹皮画のアーティストとしても広く知られている長老です。むかし、Garmaフェスティバルで見かけた時に勇気を出して話かけ、クランを率いる長老たる彼の迫力に圧倒されたことを記憶している。

四人のソングマンによる重層的な唄は、壮厳でどことなくDjalu'のGalpuクランにも似通ったところがあり、イダキの演奏やリズムもどこか通じるところがあるように感じる。ここでイダキの伴奏をしているWulu Marawiliの演奏は、高い音程のイダキを使いながらも深みを感じさせるルーズさとダイナミズムがあり、もう少し低い音程のイダキを使ったなら、よりえげつないサウンドになりそうな感じが伝わる。

収録曲は後半のクライマックスにむけて、唄もイダキも熱を帯びてどんどん激しくなっていく。後半にかけて、イダキの演奏にはアップテンポにリズムチェンジするブレイクが入り、トゥーツによるより細かい刻みの入った激しいリズムが聞かれる。

今回のCD製作にあたり、現地スタッフから依頼を受けてDHALINYBUYとYILPALAの2枚のCDは、Loop Rootsのメンバーで録音・ミキシング・マスタリングのスタジオ「On Sound」を運営しているiPPEiくんがマスタリングを行いました。
ON SOUND
http://www.on-sound.net/


オリジナルの音源は、痛いほど大きい音量で入ったクラップスティック、ピンマイクで録音することでやせ気味なディジュリドゥの音などで、マスタリングには随分苦労したそうだ。

出来上がった音源を聞かせてもらうと、今までリリースされてきたCDやレコードよりもよりはっきりとイダキの音を聞くことができ、その倍音の輪郭を逃すこと聞くことができる!現代のテクノロジーによって生々しいフィールドレコーディングを楽しむことができるイダキをやっている人以外でも、民族音楽が好きな人は必聴な内容です!!!!!!!
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by earth-tube | 2010-09-06 18:36 | 店長の日記
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