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ぜいたくな目覚めとギリギリ感
カコーン、カコーン。Dhit Dhit ! Dhitu-n!

ノミをハンマーで打つ音と、テストするように鳴らされるマンダプル(イダキ)の音で目が覚める。日本ですごしてると目覚まし時計や、まわりの騒音で目が覚めた時、眠りから引きはがされるように起きるっていう感じだけれど、マンダプル(イダキ)作りの音で目が覚めると楽しさが勝って起きるせいかすぐ頭がパキっと覚醒する感じがする。

裏庭に行ってみるとジャルとラリーが新たな楽器のノミ入れをしている。「どうだコレ?」と樹皮がついた丸太をラリーが差し出す。「いいね!」そこからおもむろにブッシュナイフでスパーン、スパーンと軽快に荒削りして、電動カンナでガンガン削っていく。電動工具を使うとつい削りすぎちゃうみたいで薄すぎる場所ができて穴が開いてしまった。ホールの修理をしてさらにハンドツールで仕上げていく。すごいスピードだ。

ジャルは淡々とチューニングから仕上げまでをハンドツールだけでやっている。ナイフの使い方がうまいので荒削りでほとんど余分な所を取り払っている。見た目はストっとした普通なシェイプだが鳴りが深く粘りがあるサウンドで、「コレはガーマ用に作ってるんだ」と言っていた。シンプルながら深みのある演奏感だ。

ゼルダは昨日ラリーが作ったマンダプルのクロスハッチを続けている。ジャルたちの作るマンダプルのペイントをする女性陣の中でもひときわ丁寧な仕事をするのがゼルダで、一旦ペイントしはじめると手間と時間をおしまない分、普段あまり積極的に楽器のペイントには参加しない。

ジャルが今朝作ったマンダプル、オールドファッションで粘りがあってディープな演奏感にすごくジャルらしいリアリティを感じたので、彼がガーマで使う用だということだがお願いしてゆずってもらうことに。その後、ドピアがいままで見た事のない細長いナニカを楽器の上に描いている。
Lambarr on Mandapul
「ラーンバルだよ。お前の子供の名前。マンダプルにする木より小さい植物でこんな形の葉っぱをしてる。」

「うちの子、前にバーワン(ブッシュ・ポテト)っていう名前もろてたよ。」

「二つ目の名前だよ。」

ぼく自身は北東アーネム・ランドに毎年行くようになって12年間で二つの名前をもらったけれど、うちの子1才半で二つ目かぁ。もしかしたら成長の過程によって名前をつけていくのかもしれないなとふと思った。ジャルも昔聞いた時、すごいいっぱい名前をもっていた。ちなみにジャルという名前は「ニワトリのケヅメ」という意味のマカッサンの言葉らしい(本人談)。雄のニワトリ同士が戦いあう時に使うケヅメっていうのは昔随分やんちゃだったという彼らしい雰囲気がする。

朝から濃厚な楽しい時間がすぎていく中、日はのぼり、軒下でもくもくとペイントするゼルダを見に行くと.......。いまだクロスハッチをしている。ペイントのおおまかな流れは下地→クロスハッチ→縁取りで、クロスハッチの部分が少ないと作業は楽になる。逆にこのラリーのマンダプル.......めちゃくちゃクロスハッチの部分多い!

タイムリミットはのこり3時間、間に合うのか!?
by earth-tube | 2013-08-23 12:36 | 店長の日記
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