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出会ったディジュリドゥ2
相変わらずダーウィンの街を何をするでもなく徘徊する。この時期のダーウィンは乾季の終わりなのかひどく乾燥していて、日中の厳しい日差しの中を歩いても汗をかかない。ブラブラとダーウィンのモールを歩いているとアボリジナルの女性が店先の地べたに座ってペインティングをしている。近寄ってみると砂漠の地域のペイントでアブストラクトな宇宙的なペイントの筆を黙々と動かしている。見上げるとその店は古本屋なのか、アボリジナル・アートの店なのかわからない雑然とした雰囲気の店だった。

なんとも怪しげな雰囲気に気をよくした僕は足を踏み入れると一階部分はただの古本屋だが、2階はアボリジナル・アートのショップになっている。そしてその隣はカセットやCDがおもちゃ箱をひっくり返したように乱雑にならんでいる古本屋.......なんじゃこりゃ!?

楽しい店やなぁという印象のまま何気なくその壁を見ると無造作にいかにも古そうなディジュリドゥが3本たてかけてある。 その内の1本は縞模様の美しいオーカー・ペイントのディジュリドゥで、手に取るとそれなりにずっしりしていて、吹き口が小さい。ボトムは少し広がっているのでどうなっているのかと見てみると、吹き口とほぼ同じサイズの穴が空いているだけ。

買うかどうか迷って「これってどういう経緯でここにあるの?」と尋ねると「これはMandorahのアボリジナルの男性でラジオ局で働いていた人が持ってきたものなのよ」と店主らしい気のやさしそうな白人女性が答えた。Mandorah......、Mandorahね。って「Rak Badjalarr」のNicky Djarugのコミュニティーやんか!ということで購入することに。


Mandorahのディジュリドゥ
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中の空洞は全くいじっておらず、ナチュラルな美しい空洞。マウスピースからボトムまでほぼ同じサイズの空洞が通っている。吹き口は小さく、サウンドはこもった感じで倍音に広がりは少ない。Mandorahの近くにあるコミュニティBelyuen(Dellisaville)のWANGGAスタイル向きとは思えないつまったサウンドでトゥーツが近く、どちらかといえばヨルングの演奏スタイル向きだと思える吹き心地。全体的に細いバンドがオーカーで描かれていて美しい。15~20年前に手に入れた楽器だそうだ。


「いい買い物をしたなぁ」という思いのまま日本から同伴している長谷くんと海岸沿いの公園に行き練習していると、千鳥足を絵に描いたような二人の初老の白人男性が僕らの前に座り、「俺のためになんか演奏してくれよ!」とろれつの回らない口調で話かけてきた。「あ~、やばい人がきたなぁ」と思いながらもディジュリドゥを吹き、話をしていると何故かこのおっさんYolngu Matha(ヨルング語)を話すではないか!

なぜYolngu Mathaが話せるのかという問いには全く答えないへべれけのおっさんは次々と「なんかやれ、なんかやれ」とせきたてる。「このおっさん何者や」という疑念を抱きながら数曲演奏するも耐えきれずその場を離れたが、巨大な白ワインのボトルを手に持ったうすよごれたこのおっさん.......何者やったんやろうか。
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by earth-tube | 2004-09-22 18:34 | Darwin
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