数ヶ月前からセレクトしていたイダキをチェックしに、まずはYirrkalaのアートセンターに行く。前々から気になっていたDatjirri#1の兄Djarrayang Wunungmurraが作ったという全面Dhalwangguクランの神聖なペイントで描かれた小さいイダキ。写真を見てもらえばわかるが、炎やスピアーヘッド、クロコダイルなどを意味するというDhalwanggu独特なダイヤモンド型のアートで埋め尽くされている。
Djarrayang Wunungmurra G-G#/A 116cm 3.2cm 7.2-8cm 非売品 アートセンターを訪れていた初老のイダキ職人Napurrawuyがこのイダキを指差して「こりゃダンビルピルだねぇ。おまえのか?」と聞いてきた。ランディーが所有しているMilkayのイダキも同じような大きさで、G-/G#というキーでこのイダキに近い。そして、Djaluをはじめいろんなクランの長老がこれをダンビルピルと認めているが、逆に作り手のMilkayは「いやぁ〜、これはただのイダキだよ」と言っていたらしい。 このイダキはG-G#という高いピッチのドローンにかかわらず、吹いた感じはそんな高くなく、F#くらいの楽器を吹いている感覚に近い。ドライでスピーディーでリズミックな楽器だ。しかしこれだけがダンビルピルの特徴ではないだろう。ようするに特定のイダキに対して、特定の感覚があるのは確かだが、それはある程度各個人の認識度や感性にゆだねられているのではないかと思う。 Bulunggitj Wununggumurra F#-G/A#+ 121.2cm 2.9-3.2cm 7.8-11cm 価格未定 吹いた感触はBruceの息子Bulunggitjが作ったこのイダキの方が似ている。とにかくバウンシーでリッチな音色ではなく、ダーティーでドライな感じ。ヨォルングのあるクランに所有されている特定のイダキに興味のある人にかなりおすすめ。かなりのストックがあったが、このタイプの楽器はこれ1本だけだった。 今回イダキをセレクトするにあたって、Earth Tubeのイダキ・コレクションにあるセレモニーに使われた楽器のテイスト感に近いものを選んだ。ラッキーなことに、アートセンターのストックは膨大で、僕が訪れた時にはもうイダキを買うことをやめていたほどだ。感覚的に覚えている「ある種のイダキに共通してあるテイスト」を意識しながらセレクトしました。 結果的にそれぞれに特徴のある楽器をかなりの本数の中から選べたが、とりあえずアートセンターにある膨大な量のイダキを全部吹いたってのがものすごい苦労だった。唇が新しいイダキのマウスピースでヒリヒリするほどに.......。
by earth-tube
| 2006-05-24 13:26
| 新入荷 Didjeridu
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