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カテゴリ:Ngukurr( 6 )
病院についてさらなる悲劇
ノーザン・テリトリー州政府のセスナはジャンボジェットよりもゆれずに安全にKatherineに到着し、あの拘束具はほんまになんやったんやという思いにかられる。病院までの救急車は飛行機がついてもまだ到着しておらず、電話をかけて20分後くらいにくる.......。なんだこの国?

b0021108_1794669.jpg僕は、病院につけば「まぁ~とりあえず精密検査してもらって、一安心できるなぁ」とばかり思っていたが、何故か到着後に治療室を通り抜けて待ち合い室に連れて行かれる。そこで待たされること2時間ばかり、時計の針は4時をまわっていた。問診と血圧だけで全くなにもされない。「あ!こういう時は多少大げさに言ってきっちり見てもらわんと」と背びれ尾びれをつけて事故状況とケガの状態を説明するが、すぐに待ち合い室にもどされる。

そういえば事故後眠っていない。まーとりあえず何かあっても看護婦がかけつけてくれるし、ガッツリ眠らせてもらおうと看護婦にベッドでねむらせてくれと頼むが「ベッドがない」の一点張り。待合室のイスはプラスチックの一人掛けでどうあっても横になってねむれない。鎮静剤を打たれたユージくんばりに看護婦に懇願すると、ギブス室のような所につれていかれ、「これが私にできる最高なのよ」と歯医者の治療台のようなものの上にシーツをポンっと置いて看護婦は去った。朝の6時をまわっていた.......
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by earth-tube | 2004-10-03 17:08 | Ngukurr
移送される5人
一時近くのRoper Barという場所で警察と看護婦が来るのを待つ。事故状況を説明し、けがの具合から出口くん、長谷くん、ユージくんの3人が先にNgukurrのクリニックにつれていかれることになった。この3人はNgukurrから飛行機でKatherineへ移送されるらしい。

僕と林くんはというとこの場に一晩泊まって、明日の朝に車に荷物を全てのせて一緒に帰るという事に......。って血圧をはかって、傷をみせただけやのにほんまにオッケーなんか?!精密検査する.......よね普通。

最終的には僕らも飛行機で移送されることになり、夜10時頃に車でNgukurrへむかった。こんな形でNgukurrにたどり着くとはなぁという複雑な思いの中、それでもアボリジナル・コミュニティにむかっているという興奮は隠しきれない二人が冷静にみれば滑稽なほどイダキ・バカである。

病院につくとユージだけがベットで眠っており、長谷くんと出口くんは先に飛行機にのせられていったらしい。2時間ほどNgukurrの町に滞在し、夜中に飛行場へ。飛行場へむかう段階になって急に僕以外の二人はタンカにギッチリと拘束され、特に首と頭は全く動かせない状態だった。

これが事故のケガよりも苦しいくらいつらいらしく、数分後にあばれだすユージ。「ド、ドクター?プ、プリィィィーズッ!!!」とじたばたしながら叫んで、なんとかほぼ拘束具に近いこの状態を解いてほしいと伝えるが、飛行機での移送の際のゆれがどーとかこーとかではずしてくれない。

別の車にのっていた林くんの所にいってみると同じように苦しんでいる。しかし、さっきまでほったらかしでなんの治療もされていない林くんが拘束されているのかわからない。医者に「もうはずしてやってくれ」と話にいってる隙に林くんはちゃっかり自分で勝手にはずして車から出て来てる。

b0021108_1784187.jpg依然必死の交渉を続けるユージ。黙らせるために鎮静剤を打つ看護婦。10分ほどさらにヒートアップしていく。最終的に猛獣をねむらせるかのように、どっかりとさらに鎮静剤を打たれ、「プリィ~ズ、プリィ......」とフェードアウトしていくユージの嘆願が、フェードインしてくる寝息に変わるのに20秒とかからなかった.......
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by earth-tube | 2004-10-03 17:04 | Ngukurr
遭難?レスキュー?
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人が通りかかることの少ないアーネム・ランドの道での事故。日陰のない乾季の乾燥した灼熱の真昼のブッシュ。「とりあえず食料と貴重品を確保してテントをたてて日陰を作ろう!」と事故直後なのに自分たちが生き残るためにすごく機敏にそしてポジティブに動く5人。

b0021108_12173946.jpg僕はなんとか荷物を持って車から離れるが、めまいと吐き気がひどくなり、目の前のものが写真のソラリゼーションのようになって全て緑色に見える!ふらふらっとなって足をつく。ヤ、ヤバイ!


b0021108_1218482.jpgそれでもみんなが動き回る姿にささえられて、あっちこっちに散らばった荷物を集め回り、テントをたてる。風が強くテントが吹き飛ばされそうなので飛び散ったイダキをあつめてテントに入れ、そのままテントに倒れ込んでしまった。一分ほど目をつぶるとめまいも楽になり、そうこうしているとすぐに車が通りがかったので、ふらふらと出口くんが呼びとめに行く。Ngukurrから警察と看護婦をつれてきてもらうことになった。


助かったという思いで皆の動きがぴったりと止まり、お互いの顔を見るとまるで戦争孤児のようだった。ふとわれにかえり、これは記録に残しとかなあかんという事で飛び散ったカバンの中からデジカメを探すが、案の定一部ボタンが壊れ、電池のふたが音も無くとれる。それでも渾身の思いでとったのがこの写真です。大破した車と散らばった荷物をバックにDjaluのイダキを吹くユージくん。
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この状態の中でポジティブに笑顔まで溢れ、はげましあうことができたこの5人に出会えた事、彼等のパワーに心から感動した。
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by earth-tube | 2004-10-03 17:00 | Ngukurr
大破.......「生きてるか?」
運転席の僕は車の回転が止まり、地面を滑っていく間、顔面に土を猛烈にあびる。車が止まった時完全に逆さになった状態でしばらく失神していたらしい。外から「大丈夫?生きてる?」というユージくんの声でハッとし、運転席側のドアから出ようとするが全く動かない。そこで窓から出ようとするが窓が通常の半分の高さしかない!

半分開いていたので、窓をおろそうとして取手をもつとポロリと落ちる。一瞬頭がクラりとするが、身をひるがえして後部座席にすべりこみ、ユージくんが脱出した側に光が見え、その窓から外にでた。後部座席にいた林くんは先に出ていて、僕につづいて助手席にいた長谷くんが同じ所から出てくる。

後部座席の反対側に回ると出口くんが脱出しようとして窓の所に上半身を出したまま身動きがとれなくなっているではないか!自分自身もうろうとした意識の中で林くんと二人で出口くんの両腕をひっぱって、ひっかかっているTシャツをビリビリとやぶきながら、窓から引きずり出す。

全員の顔を見渡す.......生きてる!鼻血を出し、顔中に土ぼこりをかぶっている。「生きててよかったな。奇跡やな。」と誰ともなく皆がつぶやいた。
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by earth-tube | 2004-10-03 16:59 | Ngukurr
Ngukurrへ、そして.......
b0021108_1659039.jpg乾季の終わりのアーネム・ランド南部を走る。空気がカラカラに乾燥していて、鼻の奥までカラリとしているよう。後部座席ではペットボトルの水を窓の外にピッピッと出し、それが時速120kmの風で霧散し、冷却されて車の窓から車内に戻ってくるのを林くんとユージくんがギャーギャーいいながら楽しんでいる。

Matarankaをこえるといつのまにか舗装道路はなくなり、でこぼこに削ったコロゲーション・ロードと呼ばれる土の道になっていた。砂煙をあげながら高速でこの舗装されていない道を走り抜けていく。低速で走るとガタンガタンとなりとてもじゃないが長時間座っていれない感じだが、時速60kmを超えたあたりから振動がなくなってくる。これはデコボコ面との接地面が少なくなるからだろう。

途中、日焼けし、やせてしわが深く刻まれた白髪のおじいちゃんにあった。ちょうど僕らの車が停車している彼の工事用の車の横を通るときに、ふと手を上げながら車から出て来たので何かあったのかとバックして話をしたのだった。「このむこうにキャラバン・パークを作るんじゃ」とだけいい後はモゴモゴとわけのわからない事を言っている。単に不思議なジーさんやなぁという思いだけが残り、先を急ぐ。

Hell's Gate Creekという不気味な小川をこえ、ひたすら直進だけのまっすぐな道を走っていると急にハンドルがとられ、車がスーッと右方向に曲がっていく。アクセルを離して、エンブレにまかせるが、車はボッコリと土が盛り上げられた道の端に向かっていくのをやめない!この土手のような土の盛り上がりにぶつかればヤバいと思った僕はハンドルをきる。絶叫とともに車は宙を舞い、2~3回転し逆さになったまま地面を滑って止まった.......この間2~3秒のできごとだった。
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by earth-tube | 2004-10-03 16:57 | Ngukurr
Nissan Navaroに乗って
b0021108_16542387.jpgついにアーネム・ランドの南東端にあるコミュニティNgukurrへ出発する朝を迎えた。ヘッドライトが片方つかないのとエンジンのかかりが急激に悪くなったので車の電気関係の修理屋Hobbit Auto ElectricsをCocoに紹介してもらう。

b0021108_16544380.jpgKatherineの町はずれにあるこの修理屋のエンジニアは「ほんまにオージー?」と聞きたくなるほどキビキビとしたおっちゃんで、黙々と修理をしてくれた。

4年たっていると判断されたバッテリーも交換し(NT州のバッテリーの寿命は約2年らしい)、ライトもばっちりに。このおっちゃんの信頼感のある修理によって、車そのものに多少不安を抱いていた僕らのテンションはさらに上がり、さい先のいい旅を予感させた。

b0021108_1655396.jpgこれが僕らの車Nissan Navaroである。「日本で最高級車はベンツやけど、ノーザン・テリトリーの最高級車はランドクルーザー(Toyotaの4WDの車名)やなぁ」と名言をはいたのは出口くん。確かにノーザン・テリトリーの4WD率は高く、それゆえに人気もあり、旧式の車でもなかなかの値段で取引されている。この車はディーゼルの4WDでマニュアルの5シートという条件を満たしつつ、僕らの支払えるMaxだった$7,000に収まった。

Katherineを出て南下し、途中MatarankaというBarungaやBeswickよりも南の小さな町で給油する。そこのガソリンスタンドに「ひからびた」という表現がばっちりはまるディジュリドゥが数本置いてあった。その大半はクラックだらけで演奏することができないものばかりだったが、1本だけスタンダードなBeswickスタイルのMagoがあったため購入。


MatarankaのガソリンスタンドにあったMago
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吹き口が大きく寸胴で短い。音に派手さはないが、標準的なBeswickのMagoだ。ペイントの一部が塗り直されていたのが印象的。後にBeswickのソングマンでありディジュリドゥ奏者でもあるMicky Hallに会ったときに好んで使用していた。
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by earth-tube | 2004-10-03 16:55 | Ngukurr