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キャサリンのホーム Coco's Backpackers
アーネム・ランド内でもないのにアボリジナルの人がいっぱいいるノーザン・テリトリーの街と言えば、キャサリンだろう。キャサリン周辺に住むJawoynと呼ばれる人たち以外にも北東アーネム・ランドのYolnguなど他の地域の人たちにも出会うこともある。

また、キャサリンは車でアーネム・ランドを旅する時、Central Arnhem Highwayの入り口として旅の拠点になる場所でもある。だから必然的に世界中のディジ・ヘッズが集まる場所がある。それがCoco'sだ。オーナーのCocoさんはDavid BlanasiのMagoを持っていたり、この地域のアボリジナルの文化に精通していて、時に大げさと思えるほど陽気な彼のトークもこの宿の楽しみの一つだ。
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到着すると「ひさしぶりだねぇ!元気か!?」とCocoさんが出迎えてくれた。「この時期あまり旅行者がいないんだ。どこでも好きな所にテントを張ってくれ。」と4年前とほとんど変わりないCoco'sを案内してくれた。料金を聞くと驚愕!10年ほど前はテントは一人$7だったのに、なんと$17!ドミトリーは$26!しかもフリーライスがなくなった!

「おいおいCocoさん、常連なんだからもちろんディスカウントしてくれるよね?」
「何日泊まるの?」
「もしWugularrで泊まることになれば一日。いや、たぶん二日かな。」
「おまえ、ずーっと来てなかったんだからさ、安くはできないよ。毎年来いよ。」
「じゃ、ビールちょうだい?」
「いいよ。そのかわりノーディスカウントね」

こういう交渉がおもしろい......。3人でビールをのんでようやく一息つく。ふざけあいながらのCocoさんとの交渉も疲れたので、値段も決まらぬままテントをはることに。ぼくはDjalu'の所で使うために一人用のテントを持ってきていたのだが、今回はリョウヘイくんがテントの下にひくマットと、7人用のテントを知り合いから借りてきてくれていたので、荷物をノリくんの家においてきていた。

「ない!」

「え? リョウヘイくんの家に行った時に積み込んだよね?」
「クーラーボックスの中とかに入れたんちゃう?」
「ない!」

ヘッドライトをつけたまま暗闇でしばし呆然とする3人。

「ど、どーする?」
「野宿かね?」
「う、うんそやな」
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みんな寝静まったCoco'sの広い敷地に「ハハハハハハハハ!」という軽〜い3人の笑いがすいこまれていく。
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by earth-tube | 2009-06-26 11:23 | Katherine
Cocoのプライベート・コレクション
Coco's Backpackersの入り口にはコンテナをそのまま倉庫に利用したディジュリドゥの販売スペースがある。Katherineで最も著名なアーティストPaddy Fourdham(Rembaranga語グループ)のアートやMimiスピリットの彫刻などと一緒に所狭しとディジュリドゥが並べてある。その大半はCoco自身が作ったディジュリドゥに地元のアボリジナル・アーティストがペイントしたものである。

しかし、その中にまじって数本とてつもないディジュリドゥがこの宿の中に作られた小さなコンテナ倉庫に眠っている。それは2本のDavid B****iのMagoとPaddy FourdhamやDavidがセレモニーで使用したディジュリドゥなどCocoのプライベート・コレクションである。


Port Keatsの1993年作のディジュリドゥ
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製作者の名前Francis Mardiganと地名と製作年がマウスピースのすぐ下に手書きでサインしてある。近年のPort Keats(現Wedeyne)らしい鮮やかなペイントが特徴的。マウスピースのサイズは意外に小さく吹きやすいが、このエリア独特のWanggaらしい倍音の伸びは薄い気がする。この地域の最近の作品はもっと色鮮やかなペイントになってきているので、逆に落ち着きのある色合いにとどまっているこの作品は珍しいのかもしれない。

David B****iのMago
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この2本のMago(ディジュリドゥ)に施されたRarrk(クロスハッチ)ペイントの線は非常に繊細でDavidらしい。サウンドは2本ともすばらしく、特に少しベルになった黒い方は吹きやすい。残念ながら吹き口とボトムをグラスファイバーでコーティングしてあるが、現在はすでに手にいれる事ができないDavidの楽器を見るだけではなく演奏することができる宿はオーストラリア中探してもCoco'sだけだろう。

セレモニアル・ディジュリドゥ
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2匹のレインボー・サーペントが描かれたCくらいのローキーのディジュリドゥ。状態は非常に悪くマウスピースとボトム周辺はあちこちにクラックがあり、グラスファイバーでかためてしまってあるのが残念だ。しかしこの楽器は何度もPaddy FourdhamやDavid B****iなどによってセレモニーで使われたといういわくつきの一本である。筆者も実際にこの両氏がこのディジュリドゥを演奏しているのを4年前に見た。


この他にも中央アーネム・ランドの著名なペインターでありリアル・ブッシュマンBilly Yarrawangaや、Paddy Fourdhamのペイントが施されたディジュリドゥもある。いずれもNot for Saleで、「このディジュリドゥはAU$15,000(約120万円)だよ」と笑顔で語るCoco氏の手元からこれらの楽器が離れることはないだろう。

僕にとってCoco's Backpackersは、Art Dealerとして長年Katherineで働いて来たCocoの昔話やアボリジナルのエルダー達との出来事など興味深い話を酒のつまみにしながら、俗世から取り残されたかのようにのんびりと過ごす事ができる安らぎの場所でもある。
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by earth-tube | 2004-10-03 17:15 | Katherine
Katherineのディジュリドゥ・ショップ
Katherineはダーウィンから約300km南にある小規模の町でアボリジナルとノンアボリジナルが比較的ほどよいバランスで住んでいて、いざこざもあるがどちらかといえばのんびりとした雰囲気の田舎町である。ダーウィンと違って旅行者も少なく、エアーズロックがあるAlice Springにむかう中継点、もしくはアーネム・ランドに入る人達の拠点といった感がある。

b0021108_17132779.jpgKatherineには「Katherine Art Garalley」と「Mimi Art Garalley」というショップがあり、その他にはバックパッカーズ用の宿「Coco's Backpackers」でもディジュリドゥをおいている。この町のおもしろい所は電気屋やインターネット・カフェ、宿、ガソリンスタンドなど様々な所でもディジュリドゥを販売している所だ。

Oldman Djoliのディジュリドゥ
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今は亡きBeswickコミュニティの著名なシンガーDjoli L*****a製作のMago(この地域でディジュリドゥを指す言葉)。なんとAU$2,500(約20万円)という高値がつけれれており、約30年前の作品だそうだ。マウスピースは大きめでWild Honeyの黒いビーズワックスがつけられており、完全に硬化してしまっている。吹き口からボトムにかけてスラリとベルになっている。ボトム部分にはヤリを持った二人の人物が描かれている。

この超高級なディジュリドゥにはさすがに手が届かず、だまって見過ごしたがこういった古い楽器がなんてこともなく他の楽器に混ざっておいてあるあたりにこの町らしさを感じた。
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by earth-tube | 2004-10-03 17:12 | Katherine
Coco'sにもどった!
朝8時にNgukurrからKatherineの病院まで車で僕らの荷物を運んでくれたアボリジナルの看護士とともに僕だけがCoco'sにもどり、テントをひろげて念願の睡眠をむさぼる。事故の苦しみが遠のくぐらいの病院の対応の悪さに不快感と不信感をいだかせる出来事だったと5人全員が振り返る。

昼過ぎに全員がCoco'sにもどり、今までではじめてCoco'sで部屋を借りてクーラーをがんがんにきかせて死んだように眠った。みんなの口から出るのは「奇跡やな」の一言だった。
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by earth-tube | 2004-10-03 17:09 | Katherine